Masakado Kawata
Institute of Liberal Arts and Science,
Tohoku University
進化論の見方
河田雅圭 1989年 紀伊國屋書店
出版社の許可をえて掲載しています
目次
第1章 生物進化とはなにか (PDFダウンロード pp.13-28)
1. 進化とは何か
2. 進化する実体とその結果
進化の原因と結果/世代を超えて受け継がれるもの/生物の性質/進化する生物の性質
進化現象に重要な集団の変化/集団の分岐/進化の単位/広い意味での生物進化
3. 現代進化論とはなにか
改めて進化とは何か/進化生物学はなにを説明するのか
第2章 適応と自然選択 (PDFダウンロード pp.29-76)
1. 適応とはなにか
誤りが多い適応の解釈/適応とはなにか/適応と個体の生存/生物の持つ性質すべてが適応しているわけではない
「種にとっての有利」がなぜ誤りなのか/自然選択と適応のトートロージー/最適化モデル
2. 自然選択のメカニズム
自然選択とは何か/選択の原因と選択される対象/適応度/自然選択による遺伝子頻度の変化/
遺伝子あるいは染色体の性質に働く自然選択/個体の性質の頻度変化/他の性質にひきずられる性質
デーム間集団選択/デーム内集団選択/集団選択/集団の性質/血縁選択/頻度依存型選択/密度依存型選択
空間的・時間的に変わる自然選択/進化的に安定な戦略(ESS)/性選択/集団の平均適応度の変化と自然選択
自然選択の実例 (関連コラム ダーウィンフィンチの30年間の進化: 自然選択の実証例)
第3章 進化の要因 (PDFダウンロードpp.77-120)
2. 表現型の進化に関わる要因
(1) 環境要因
非生物学的要因/生物の相互作用/共進化/軍拡競争/赤の女王仮説/競争関係/共生
(2)生物学的要因
1.変異を作り出す制約
物理的制約/遺伝的な制約/発生的な制約
2.新しい性質の出現メカニズム
ヘテロクロニー(異時性)/ホメオティック突然変異 /細胞の分化と形態形成の分離/
進化におけるつぎはぎと修繕
外部からの遺伝子の獲得
2.遺伝子頻度の変化要因
遺伝子頻度と遺伝子型頻度の変化の原因/遺伝子頻度と遺伝子型頻度の関係/交配様式による遺伝子型頻度の変化
突然変異/移出と移入/自然選択/ランダムな要因ー遺伝的浮動と中立説/連鎖/集団の構造/遺伝的な変異の保持
第4章 マクロな進化と長期的な進化傾向 (PDFダウンロードpp.121-153)
1. 生殖隔離のメカニズム
種とはなにか/生殖隔離とその原因/種分化の様式/別種突然変異/飛び越えモデル/分化モデル-異所的種分化/
分化モデル-側所的種分化/分化モデル-同所的種分化/分子レベルでの生殖隔離/種分化の原因と進化における重要性
生殖隔離に要する時間 (関連コラム 種とは何か)
2. 大進化
断続平衡説と漸進進化/断続平衡現象は普遍的か/表現型の進化速度/種選択の理論は適切か
表現型の大きな違いを作る進化的要因とは/大進化とその原因
第5章 遺伝の機構と分子進化 (PDFダウンロードpp.154-193)
1. 進化にとっての遺伝機構
遺伝子とは/複製の正確さ/組み替えと交叉/様々な突然変異/突然変異のランダム性/表現型と遺伝子型
量的遺伝/獲得形質は遺伝するか/核外の遺伝子 (関連コラム 適応的突然変異は誘発されるか?)
(関連コラム 一夫一妻制と一夫多妻制の違いを引き起こす遺伝子)
2. 分子進化
分子進化とは/分子の進化速度と中立説/重複遺伝子/遺伝子重複の機構/遺伝子数の進化
協調進化/DNA量の進化/分子進化の研究の目的
弟6章 様々な進化要因と相対的な重要性 (PDFダウンロードpp.194-211)
1. 進化のプロセスと進化の要因
進化理論とダーウィニズム/自然選択と遺伝的浮動/自然選択の重要性/突然変異の重要性/
集団中にある遺伝的変異の重要性
発生プロセスの重要性/七つの主要な進化プロセス
2. 進化のプロセスにはどの生物単位が関わるか
還元論と全体論/生物界の構成と各々の役割
引用文献 (PDFダウンロード p235)