Masakado Kawata
Institute of Liberal Arts and Science,
Tohoku University
生態適応科学
自然のしくみを活かし、持続可能な未来を拓く
【 概 要 】
私たちは、生物や生態系に対して様々に手を加えることで、豊かな社会を実現してきた。例えば農業や林業では、好ましい性質を持つ種や品種を選抜して用いている。さらに、大規模に農地を造成する、潅がいや治水のために多くのダムを建設するなど、しばしば生態系を大きく変えてきた。つまり、これまでの現代社会は、あらゆる問題をいわば「力技」で克服してきたと言える。しかし一方で、このような克服型技術は、地球規模で様々な問題を引き起こしている。本書は、生物システムや生態系が本来持っている「適応力」を活かすことで、従来の克服型技術が抱える問題を解決し、持続可能な未来を目指す新しい学問領域として、生態適応科学(Ecosystem Adaptability Science)を提案する。生態適応科学では、(1)適応力のメカニズムを解明する基礎研究、(2)その適応力を様々な産業や生態系管理に役立てようとする適応型技術の開発、(3)適応型技術の導入に向けた社会経済システムの構築の3つのアプローチを一体となって進めることで、持続可能な社会の実現を目指している。本書は、こうした方向性で生態適応科学の体系化を試みたものである。
【 本書の特徴 】
本書は、大学学部生レベルを対象に書かれています。一部専門的な内容を含んでいますが、一般の方にも読んでいただけるように、巻末に用語集を設けました。 出来るだけ多くの方に読んでいただけるように、無料としました。PDF版とePub版の両方を用意しました。Apple ブックストアからも無料で読めます。
生態適応科学
自然のしくみを活かし、持続可能な未来を拓く
東北大学生態適応グローバルCOE編
日経BP社
2013年2月発行
A5版/243頁
ISBN 978-4-8222-0869-1